Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

『テレーズの罪』

フランソワ・モーリアックの『テレーズ・デスケイルゥ』を検索していたら、映画のDVDも現れて、偶然かと思ったが、そうではなくこの作品の映画化だった。

しかも、そんなに古いものではなさそう。

2015年製作。ヒロインは『アメリ』を演じた女優さんだ。


『アメリ』と『テレーズの罪』の2枚を110円でレンタル。



実は小説を読んだ時、難解なのは「理解しようとする」からではないかと、ふと思った。


何故、テレーズは夫を殺そうとしたのか、

何故、軟禁されたまま動こうとしないのか、

何故、旧弊な家族や夫から逃れようとしないのか。


本当はテレーズの感じていた、言葉にならない違和感が全てだったのかもしれない。

とにかくタバコを吸う。

そしてボルトーの松林。海。


景色や仕草の方がずっと饒舌だ。

あの松林をビジュアルで見たい。

想像通り、フランス南西部の美しさは出色。


テレーズを演じた女優(オドレイ・トトゥ)は

想像していたテレーズよりずっと垢抜けていたけど、ヒロインの孤高と倦怠をきちんと表現していた。


田舎では馬車が活躍していた100年前、パリでは車が行き交う。

そんな時代を描いて終わる。



フランスは映画も小説も難解!

でも、えもいわれぬ魅力があとをひく。

じっくり楽しもう。