Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

映画『82年生まれ、キム・ジヨン』

10月16日、TOHOシネマズにて。

以前観た『ハチドリ』も地味な韓国映画だった。

韓流にハマっているわけではないし、恋愛映画でもないけれど、この手の映画は気になってスルー出来ない。


『ハチドリ』の主人公は確か83年生まれ、

ほぼキム・ジヨンと同じ世代だ。

作者も監督も違うけれど、内容的には『ハチドリ』の続編にあたるという。


83年生まれといえば、私よりも1世代下、

なのに、まるで子育て時代にタイムスリップしたようなリアルさで迫ってくる。


成績もよく、仕事もそれなりに頑張り、

けれど結婚して子どもが生まれたら女は仕事を辞め、子育てに専念するのが当たり前、

そんな時代を描く。



座敷牢に閉じ込められたような子育て時代、

夫は悪い人ではないが、社会通念に流されてジヨンを追い詰めていく。



義母も同じ。

主人公のジヨンは美しいので、その追い詰められた姿が哀感を伴って描かれる。

ここまでが映画の内容。


が、子どもは成長し、やがて彼女も自由になるだろう。

が、その時は既に年老いて、彼女は社会に相手にされない。

そんな母親世代も描かれ、やるせない。


原作となった小説は韓国でベストセラーになったという。

父親が権力を持ち、横暴な暴力を振るう様は柳美里や梁石日の小説でも垣間見た。

この時代になってもまだ、女性の地位の低さが描かれる韓国社会、

近くて遠い気もするが、同様の経験があるから、日本でも同じようなものだ。

見れば、嫌な思い出ばかりが蘇る。


そうそう、この映画の観客は殆どが女性、

連れてこられた男の子は所在なさげにスマホをいじっていたという。

作中のおじさんが、何でいまさらセクハラ研修なんて受けなきゃならんのか、昔は良かった、下がってよいとか言ってりゃ良かったもんな、とボヤいていた。案外、男性の本音ではないか。

共和党のトランプさんみたいだ。

関係ないか。


昨日の『あさイチ』では、「おばさん」と呼ばれることの意味を掘り下げていた。

「イケオジ」とは言うのに、「イケオバ」とは言わないのはなぜ?

美魔女は男目線の命名、(おばさん世代なのに)美しい、しかも外見だけを取り上げて。

と、女が老いることの意味、今も男の価値観がまかり通る世の中を、ソフトに扱っていた。

もう、納得できることばかりでイヤになる。


若く見えるとか、まだまだイケてるとか、

褒め言葉で言っているつもりの男性が多すぎる。そう言うのは圧倒的におじさん世代だけど。


普通に歳を取って何が悪い。

おばさんになれば、人の目を気にせず、自由にものが言える。

だから加齢も悪くない。

今の自分が1番好き。

それは同意見だ。

でも、それって開き直りの気もする。


女じゃなくなったら「おばさん」だ、と言う男性もいた。

それなら「おばさん」でもいい。

普通に自分らしくなりたい。


ムシャクシャしたので、DVDを借りに行った。

4枚レンタルして、2作品を観賞。

その感想はまた。