Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

スケジュールがわからない!

6年前のフィンランド旅行の記録。
実はこの旅行の誘い文句は、「フィンランドに友達がいるから一緒に行かない?ツアー旅行と違って面白い旅行ができると思うよ」でした。


沖縄旅行に誘って快諾してもらった直後だったので、断りづらく、それよりも何よりも私は世間知らずでした。
ヘルシンキへの好奇心もあり、ずるずるとOKしてしまったのです。
「かもめ食堂」みたいに、なんとかなるんじゃない?みたいな。


その後、友人とはフィンランド人の男性で、フィン語以外にも英語が達者、でも日本語は話せないことを知ります。
そ、そんな。そういう情報は先に知らせてほしかった・・・
既に往復の航空券、宿泊先のホテルも抑えた後、
後悔先に立たず。 いや、違うか。


行く前から悪夢にうなされましたが、だからこそ「嫌な思い出」で終わらせたくはなかったのです。


帰国後、写真だけを頼りに訪れた場所を探し、妙に詳しい旅日記を書いたのは、
自身の存在証明みたいなものだったと思います。
いつも車の後部座席にポツンといたけど、
ちゃんと見聞きして、吸収しようと一生けん命だったと、
ティモは読めないけど、その友人にはアピールしたかった、のでしょうね。




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時間のかかる入国審査を終え、トランクをピックアップして、やっと
ハロー、ヘルシンキ。


宿泊先はヘルシンキ中央駅にほど近いクルムス・カイサニエミ。


クルムスとはフィン語で青空のこと。
ホテルの天井に気持ちのよい青空が広がっている。

この日は日差しも強く、比較的暖かな日だったらしいが、それでも避暑地のような空気の冷たさ。


パーカーを1枚羽織り、ヘルシンキ大聖堂や元老院を見ながら歩く。
「傘を持っていくように」とティモ。
ええ~! こんなに晴れているのに?
その理由はすぐにわかった。くるくる変わるフィンランドの空。晴れたり降ったり両方だったり。


日本ならとっくに寝ている時刻だ、明るい陽射しに体内時計も戸惑っている。妙に神経ばかりが冴える。
エスプラナーディ公園は平日とは思えない賑やかさ。
仕事を終えた市民が寛いでいるのか。

KAPPELIというカフェレストラン、

ケーキはセルフサービスで、お茶だけオーダーして会計。キャロット、ブルーベリー、チョコレートを一つずつ、それぞれ三等分して味見する(笑)
どれも甘さ控えめで健康的。
滞在中、ケーキをごはん代わりにすることが数回あったが、ボリュームも味もお菓子というよりは「食事」だった。


一週間の予定をティモが英語で説明してくれる。
実は出発前、フライトとホテル名しか知らされていなかった。
何日にどこを回るのか、食事はどこでするのか、詳細なスケジュール表を渡されるツアー旅行に慣れた身には、少し不安でもあり刺激的でもあり。
デザインに興味があるという友人のために、アアルト邸の見学、イッタラやアラビアの工場見学などの予約を既に取ってくれているらしい。
ティモの高速巻き舌英語を聞き取ることのできないわたしは、翌日の集合時間をチェックするのが精一杯だったが。


カフェでティモと別れ、友人と歩いて帰る。


あまりの明るさに惑わされ、少し散策しようと青空市場へ。
カモメが群れ飛ぶ。


町中にカモメの声があふれている。
高いところが好きな彼らは、彫像のトップの座を常に狙っている。


閉店間際の市で、ブルーベリーとイチゴを購入。


ブルーベリーは5ユーロでレジ袋一杯。ふたりで食べても1週間で食べきれなかったほど。
無事ホテルに戻り、

長い一日が終わった。
午前5時前に起きているから、24時間活動し続けたことになる。


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ティモへのお土産に、坂角のえびせんべいとけん玉を。
えびせんべいは好評でした。
けん玉は同じものを購入し、出発前に猛練習したにもかかわらず、
大皿にさえ載せられないありさまでした。


今は、大皿、小皿、中皿はもちろん、剣先もかなりの確率で入るように。
何事も、付け焼刃ではダメということですね。