小説『バタフライ・エフェクト』
思い違いをしていた。
映画『バタフライ・エフェクト』の原作だとばかり思っていた。
映画は10年ほど前に観て、難解だったので気になっていたのだ。
小説できちんと読み直したいと思っていた。
北欧スウェーデンが舞台のサスペンス、ではなく
人間ドラマだった。
カーリン・アルヴテーゲン作、翻訳はヘレンハルメ美穂。この翻訳者さんは『ミレニアム』でお馴染みの人。
3人の登場人物が章ごとに一人称で語るスタイルは、『ミレニアム』に似ている。
映画は観ているはずなのに、読んでも既視感はなく(全く別物だものね)、
なのに、貴金属店で賊の人質になる男のシーンは記憶にあるような。
うーん、よくわからない。
気になったのは、ボーディルという55歳の女性。
難病にかかり、余命は1年余りと言われる。
家族というには気持ちが離れすぎた夫と娘。人間関係は近いほど難しいということか。
父親が密かに残したアパートで一人暮らしを始めるところから小説は始まる。
もう人の目を気にすることもない。じっくり自身の人生を思い返してみようと、近くのレストランでワインを飲むことだけを日課にする生活。
一人称小説によくあるように時間が逆行しているが、登場人物が少ないので、さほど混乱しないのは助かる。
3人の語り手のうち、ボーディルとヴィクトリアは母娘だが、貴金属店で人質となったことが外傷性ストレス障害になるアンドレアスと2人との関係は終章近くまでわからない。
これが謎といえば謎。
が、予測の範囲内だったような。
「バタフライ・エフェクト」(小さな出来事が遠く離れた場所で思いもよらない影響を及ぼすこと)というので、驚くような展開を期待してしまうが、ボーディルの人生だって波乱万丈だ。
私、フィクションずれしてしまっているかも。
昨夜、小説を読み終え、早速DVDを借りに行った。(『バタフライ・エフェクト』は1〜3まである。ヒット作となり続編を作ったようだ)
小説とはタイトル以外全く別物と分かった時点でショックを受け、とりあえず小説の感想を先に書くことに。
映画のノベライズ版も存在し、なかなか面白いらしい。
そうそう、難解な映画として記憶に残った『メメント』も気になる。
こんな連鎖もバタフライ・エフェクト?(笑)
愛用しているリップスティック。
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