Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

『プライドと偏見』

名作の誉れ高い小説なのに、縁なくこの歳になってしまった。

なんとなく敬遠してしまうのは、そのタイトル(「高慢と偏見」)からくる偏見か。


55円のレンタルDVDでやっとその内容を知った。



キーラ・ナイトレイ主演の2005年作品。

この古き良き時代のイギリスの田園風景、人々の生活に、郷愁を感じてしまうのは、10代の頃に憧れた『若草物語』の世界を髣髴とさせるから?



女ばかりの5人姉妹(若草は4人)、長女のジェーンはしっかり者だが大人しい。(まるでメグのよう)

次女のエリザベスは理知的で読書好き、自分の意見をはっきり言う。(まるでジョーのよう)

三女のメアリーは地味な性格、(まるでベスのよう)、四女と五女は社交的だが思慮に欠ける。(まるでエイミーのよう?)

母親はシンデレラの継母に似てるが、悪い母とではなく、父親は大人しく尻に敷かれている。


次女エリザベスが、ダーシー氏とお互いの誤解を解き、惹かれて合っていく過程がドラマになっているようだ。


裾の長いドレス、舞踏会、石の家、田園風景、

「かつての少女」が夢中になりそうなアイテム満載の世界。

何よりも主演女優が美しく、


彼女がキーラ・ナイトレイだったのかと、名前だけは知っていた女優に惚れ直した。


でも、『アメリ』のオドレイといい、女優が本当に魅力的な旬の時期はすぐに過ぎてしまう。


その意味で、ジュディ・デンチの存在感はすごいかも。

ヒロインの敵役となるキャサリン夫人の嫌らしさ、頑固さを、これほど体現できる人がいるかしら。

つい最近、『キャッツ』で彼女を観たばかりなのに、15年前の映画でも全然変わっていないのには驚きだ。


美人ではないが存在感を発揮する女優、

メリル・ストリープ、キャシー・ベイツ、ジャンヌ・モロー

大好き。

映画を観ても女優にばかり目が行く。


美しい女優、存在感のある俳優、そして洗練されたカメラワークがあったら、もうそれだけで嬉しい。

だんだん、映画の見方も単純になってくる。