Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

振り回されて

そうだ、今日はDVDを返して、新しいのを借りてくるのだった。

『バタフライ・エフェクト』と『ボヘミアン・ラプソディー 』の感想は書き終えた。

近所のゲオにワクワクして出かけた。

27日まで、旧作が半額で2週間借りられる。

この機会に気になっている映画を全部観てしまおうか。


いやいや、その前に本を読まねば。



中山七里はどんでん返しの帝王、とか言われている?

読書会で、その中山七里作品の、犯人の目星が付くと豪語していた人がいたけど、

中山七里だからわかるのじゃない?

1番犯人らしくない人が犯人、というのが推理小説の王道だもの。

この作品も犯人の予想はついたけれど、それでも一気読み。読後感はもはや「水戸黄門」のレベル?



ということで、めでたく午後からはDVD観賞。


もう2年前になるのですか、「朝イチ」のメインゲストに吉田羊さんが迎えられた時のこと。

新作の話題に及んで、収録したばかりの『ハナレイ・ベイ』の話になり、俳優を辞めようと思うくらい悩んだと彼女はいう。

うろ覚えだけれど、ごく常識的な所作として監督に挨拶に行ったのだという

「何もわかりませんが、よろしくお願いします」みたいな。

謙虚に言ったつもりなのに、監督に「それは違うでしょ」と返される。

「じゃあ、もしこの作品が失敗したら、その責任は全部監督の僕にあるというわけ?」と。


吉田羊さんはけっこうシリアスにそれを語るので、この『ハナレイ・ベイ』なる作品に俄然興味が湧くことになった。

ところが、ミニシアター系らしく、上映館は県内にない。泣く泣くDVD化されるのを待った。


せめて原作を読みたいと探せば、


村上春樹の『東京奇譚集』

当然、既読のはず。

でも、忘れてしまうんですよね。

もう一度、読み返してみると、

正直、映画化出来るような短編ではないと思った記憶が。



サーフィン好きな息子がハワイの島で事故死して、その島に10年通い続ける母親。


映画は成功したとは言えないかもしれない。


ヒロインの吉田羊がとにかく暗くて、

見ていて切ない。

泣いたり、悩んだり、八つ当たりしたり、

辛すぎる。


原作はもっと乾いていた。

良くも悪くもそれが村上春樹のテイストなのだと思う。

だから村上作品は映画に向かない。

それが作品たりうるのは、

小説の力なのだ、と思う。