Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

心と体と

借りてきたDVDがあまりにも新しいのて、思わず写真を。



2年前に映画館で観ている。

ミニシアター系なのか県内に上映館がなかったので、名古屋まで出かけた。

首都圏に住む友人のお勧めだが、正直、そこまでして観る映画なのかはよくわからなかった。

映画自体よりも、ひとりで名古屋まで出かけ、映画館を探し、ランチしたことの方に達成感を得てしまったかもしれない。

それでなくても緊張していたので、グロい内容だったらどうしようと、そちらの方が心配だった。


ハンガリー映画。

「心と体と」ってタイトル、「身も心も」だったらわかるけれど、きっとこの意味合いではないのだろう。「身も心も」が一体感の表れなら、「心と体と」は不一致のシグナルかもしれない。


パッとしないエロおやじと魅力のない女性のラブストーリー、というレビューがあったけれど、要約すれば確かにそうかもしれない。


初老の男は中間管理職、片腕の機能を失っている。

女性は臨時の食品検査官、杓子定規で人間関係がうまくいかない。

そのギクシャクした生き方は何だか自分を見るようだ。


このふたりの接点は





この冬の森が美しく、現実の屠殺シーンの生々しさを癒してくれる。


「処理」の過程で流される牛の血と、手首を切ったヒロインの血と、その赤さは変わらないということが、痛いほど伝わってくる。



食肉加工工場の牛も、人間も、そして野生の鹿も、同じ命を不器用に生きている。


「好き」を上手く伝えられず、何度もすれ違う初老の男と堅物女。

ああ、身につまされる…



でも結ばれて、よかった。

やっぱりハッピーエンドにほっとするのです。