Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

『天気の子』

今月の読書会のテーマ本は『天気の子』

え? 映画じゃなくて?


新海誠監督は作品を同時進行で小説化する。

『君の名は。』で一躍売れっ子になり、私もそれで新海作品を知り、彼の作品は手に入る限り観た。

DVDで、だけど。

ことの外、気になったのは『言の葉の庭』

雨の東京、新宿御苑がなんとリアルで、なんと幻想的で美しかったことか。

たまたま職場の図書館に『小説・言の葉の庭』もあったので、それで新海監督の文才を知ることに。


だから、驚いたのは小説化されていることではなく、高齢女性の多い読書会のテーマ本になったこと。


映画は1年ほど前の封切日に観ている。

これがアニメかと思うほど、密度の濃い作品だった。


ギモンを持つ前に「運ばれて」しまうので、

色々思い始めたのは、今回DVD観賞してから。


たとえば、

なぜ帆高は家出したのか。

島から脱出する冒頭シーンで、顔に絆創膏をいくつも貼っている。


そして、その説明はなく。

小説では辛うじて、父親に暴力を受けたと。

東京では、捨て猫のような惨めな境遇も甘んじて、なんとか踏ん張る。

高校1年の少年だ。

空腹を抱えて、マックでスープだけの夕食を3日続け、観かねたバイトからビックマックの差し入れを受ける。

それが16年間のうちで「もっとも美味しかった」夕食なのだという。

彼の16年って?

お母さんはいないの?


ところが、さらっと終わり間近で、島に帰った彼を「両親」が受け入れた、と。

なんと存在感のないお母さん!


初盆と巫女の関係、

陽菜の弟の「凪」と、職場の女性の「夏美」という名前(凪はイザナギ、夏美はナミ→イザナミ?とも読める。 陽菜は天照大神か。監督は日本神話に着想を得ている?)


そうそう、マンガ喫茶でカップ麺の重石にしていたのは、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」だった。

少年の家出は、ありがちな青春の彷徨なのか。

もしかして、この主人公はトリックスター的存在で、少女・陽菜の魔術を引き出すために必要な触媒を担わされている?

同じことは須賀と姪の夏美との関係にも言えて、ストーリーの推進力になっているのは夏美の方、とか?


いやいや、疑問満載で困ってしまう。


読書会は明後日。

どんな意見が出るか、楽しみにしよう。


今日の朝日。

日の出は午前6時近くなった。