Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

YESは人生のパスワード?

面白い映画を観た。

『イエス・マン』

ジム・キャリー主演なので、もちろんコメディだ。

ふつうYES Manと言えば、上司におべっかを使う腰巾着みたいな存在と相場が決まっている。

でも、この作品はちょっと違うみたい。


堅実な銀行員のカール(ジム・キャリー)は離婚したこともあり、仕事も私生活も後ろ向き。

遊びのお誘いも断り、1人の時間が1番気楽でいいと思う。

まるで今の私みたいだ。


ところが、たまたま会った友人に怪しげなセミナーに誘われ、断りきれずに参加してしまう。

それは、全ての誘いにYESと答えよう、というもので、カールも何となく巻き込まれ、YES Manへの人生を踏み出す。


会場を出たら、早速ホームレスの男に同乗を頼まれ、携帯はバッテリーがなくなるまで使われ、有り金全て取られて、おまけに帰りはガス欠。

あーあ、断れないってこういうことか。


でも、これはコメディ。

ポリタンクを片手に歩くガソリンスタンドで、美しい女性に出会う。


面白い設定だ。

「わらしべ長者」みたいに、断らないことが人生の成功に繋がっていくのかな。

誘いには全てYESで答える。

もちろん、その方が楽しいに決まっている。

断らなくてもいいのは、ラクだ。

だがYESと言ったら、その提案を受け入れねばならない。

それはそれでしんどい。

どっちがラクなんだろう。

結局分からなくて、神さまとか先生と言われる人に丸投げするのか。


同時に観た『恋するベーカリー』

メリル・ストリープ主演ならば、逃す訳にはいかない。

が、こちらも元亭主(再婚している)と不倫関係になってしまい、その罪悪感に悩む。

かかりつけのセラピードクターに丸投げし、「心のままに行動しなさい」と言われ、不倫に邁進しようとするものの、結局…

なんですよね。


YES Manのジム・キャリーも、どうしてもYESと言えなかったことがある。

そのあたりが、しんみり考えさせられる。


大好きな朝ドラのひとつ『スカーレット』にも、「ええよ〜」という深先生が登場する。尾形イッセー演じる先生だからこそ、何でも受け入れられた。

これでヒロインの人生も変わっていく。


何にでもYESと言うこと。

人生への覚悟と自信があってこそ。


それでも、この映画はよかった。

前向きになれます。