Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

わたしの素

味の素が醤油やソースと同じように

食卓の常連顔になっていた子どもの頃


ご飯にも味の素、なんてCMまで現れて

間に受けた子どもの私は親の制止も聞かず

ご飯にかけてベソをかいた。


すっかり姿を消してしまった味の素だが

そんな魔法の一振りを

どこかで求めているのかも。


映画や小説から離れられないのも

それらが人生の

魔法の一振りだから。



最近、読んだ小説。

表紙の挿画はロダンの作品。

実は「宇治十帖」は、あまり好きではなかった。

光源氏の死後というのも興醒めなら、

2人の男に愛される浮舟というのも、なんだか。

それで入水自殺なんて。


でも、林真理子氏がどんな毒舌?で

この三角関係を描くのか知りたくて一気読み。

流石の筆力だ。


匂宮は軽々しい好き者

薫は陰気な堅物

浮舟は男好きのする女。


やっぱり女史の意地悪な目は健在で、

男好きのする女は、隙が多いということで、女からは評価されないとか、

匂宮も薫も、身分ある男の身勝手さを当たり前とし、

結局、男の不実さと、女の哀れさばかりが浮き彫りになる。

この歳になれば男に期待することもないし、

夢もないけれど、

口説き文句の白々しさには辟易。


今日の映画(DVD)は



ジョニデがこんな役に。

ショコラの店を始めるジュリエット・ビノシュといい感じになるジプシー。

フランスの片田舎、カトリック教会を中心にこじんまりとまとまった石の街は中世を思わせる。


どこか童話のような、

ラッセ・ハルストレイム監督の優しい世界観は健在だ。

彼はショートカットのボーイッシュな女性が好きなのか、『ギルバート・グレイプ』でも、

『マイライフ・アズアドッグ』でも、

『サイダーハウス・ルール』でも、

ヒロインはキュートな短髪、

人としての魅力がいっぱいだ。


ジョニデは『スィーニートッド』の怖い理髪屋の方がやっぱりハマっているし。


恋よりは怖さを求めてしまう

わたしの素はスパイスなのかもしれない。