Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

男の身勝手さ

昨日は読書会。

テーマ本は藤沢周平の『泣かない女』(「初つばめ」所収)

文庫本で20数ページの掌編、わかりやすく読みやすい。

文句のつけようもない作品なのに、

どう感想を言ったらよいのやら。


三角関係を描いている。

ある所帯持ちの職人に、出戻りの親方の娘が誘いをかけ、男女の関係になる。

娘は男に奥さんとは別れ、自分と一緒になって欲しいと言う。

男は妻に離縁を持ちかけたところ、妻はあっさりと荷物をまとめて出て行ってしまった。

妻は孤児で、障害者でもある。

妻を軽んじる気持ちが男にはあった。

ところが全く詰ることもない妻に意表を突かれた男は、妻を選ぶ。

「結婚はあきらめが肝心」と娘との結婚を諦める。


私の感想も男の身勝手さへの憤りで、かなり感情的に。

「こんな男はだれと結婚してもうまくいかないし、反省もしない。女房が最後に泣くのもあざとい。男に泣いて縋るのは作為としか思えない」と。


また、ある人が「男は身勝手」と発言して男性の意見を聞きたいと。

80近い助言者がそれを受け、

「男はきれいな人を見ると、奥さんがいてもフラフラっとなるし、それが男の生きる力なんですよ」

すると別の女性が、

「では、女の生きる力は何だとお思いですか」

助言者は絶句。


こういう作品は本当に苦手。



最近は庭の草むしりが1番の心休まるひとときに。

誰とも話したくないし、もの言えば唇寒しの世の中、生き難し。


最近の読書。



映画『ノマドランド』の原作。

社会問題として高齢労働者を扱ったノンフィクションです。

自らもキャンピングカーで生活し、ノマドたちの生活を追った著者の執念の一冊。

定年後は優雅にキャンピングカーで旅から旅へ、そんな生き方と思っていましたが、実際は家を差し押さえられ、住居を失って車上生活をする人が殆どだとか。

原作を読んでから映画を観るべきでした。




こちらは今日、読了。

著者の原田マハさんは大学の後輩に当たるらしいのですが、

我が身と比較すると暗くなるので、

純粋にストーリーを楽しみます。


映画も志村けんさんから沢田研二さんに主役を変え、

何とか夏に公開のようです。

映画がテーマの映画って、劇中劇?


嫌なことは引き摺らず、気持ち切り替えましょう。