Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

読書のブログ記事

読書(ムラゴンブログ全体)
  • 村上春樹の短編

    同世代作家なので、 彼の作品は発表される都度、読んでいると自負していたけれど、 考えてみたら(考えるまでもなく)忘れている。 1年ほど前から長編を読み直していますが、 落とし穴は短編でした。 文庫本で読んだはずの作品も、 この英語版の作品構成で読むと新鮮なのです。 まあ、覚えていないので(笑 彼の... 続きをみる

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  • ステレオタイプのおばあさん?

    柚月麻子作『マジカルグランマ』 柚月さんといえば「ブラック麻子」と「ホワイト麻子」がいるらしく、 前者を『ナイルパーチの女子会』『BUTTER 』、 後者を『ランチのアッコちゃん』を代表とするなら、 『マジカルグランマ』は、たぶん前者。 読書で前向きに元気になりたい時も正直あるけれど(ビタミン小説... 続きをみる

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  • 映画『スリー・ビルボード』、小説『野良犬の値段』

    下に見ているとか、偏見だとか、人は言うけれど、 誰も自分が差別しているとは思っていないはず。 間違っているのは周りの方で、自分は正しい。 そう思うから、生きていける。 でも、 人のことはよくわかるけれど、自分のこととなると、さて、どうなのか。 気になる映画を観た。 主演のフランシス・マクドーマンド... 続きをみる

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  • さすがにビルマとは言わない

    我が家の南端、道路に近いので、道行く人がこの木の名を聞きに来るそうです。 春の新芽時だけ赤い葉を付けるのて、目立つ、目立つ。 いつも間にやら、奥のモチの木を凌ぐ高さに。 「何の木?」と夫に聞いても、 「親父がビルマから持ってきたとか言ってるので、我が家ではビルマの木で通っている」というばかり。 最... 続きをみる

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  • 男の身勝手さ

    昨日は読書会。 テーマ本は藤沢周平の『泣かない女』(「初つばめ」所収) 文庫本で20数ページの掌編、わかりやすく読みやすい。 文句のつけようもない作品なのに、 どう感想を言ったらよいのやら。 三角関係を描いている。 ある所帯持ちの職人に、出戻りの親方の娘が誘いをかけ、男女の関係になる。 娘は男に奥... 続きをみる

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  • 箸の持ち方

    私が子どもだった頃、何でも人並みにという考え方が全盛だったのか、箸や鉛筆を持つのは右と、両親に厳しく矯正された。 左利きだった私は苦労した甲斐あって? 今は箸や鉛筆は右手で持つ。 反抗できる年頃になってから覚えた針や包丁は左だが。 箸も鉛筆も右で持つのが精一杯だったので、その持ち方にまで神経が回ら... 続きをみる

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  • わたしの素

    味の素が醤油やソースと同じように 食卓の常連顔になっていた子どもの頃 ご飯にも味の素、なんてCMまで現れて 間に受けた子どもの私は親の制止も聞かず ご飯にかけてベソをかいた。 すっかり姿を消してしまった味の素だが そんな魔法の一振りを どこかで求めているのかも。 映画や小説から離れられないのも そ... 続きをみる

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  • 「いや」という言葉

    それが自分に向けられたものでなくても、 ドキッとする。 たしか高校の現代国語の教科書だったかに、 志賀直哉の『網走まで』があった。 青森行きの汽車に乗り合わせた母子と「自分」との、わずかな交流を描いた掌編だ。 癇性の男の子に手を焼く母親を観察しながら、 「自分」は男の子に「厭な眼」で見られて、 「... 続きをみる

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  • 簡潔な日記

    今、心掛けたいこと。 昔は「箇条書きのLin」と言われたほど、長い文章が苦手だったのに、 最近のキレの悪さといったら。 これも加齢現象なのかと思うとイヤになる。 昨日、レンタルDVDを観る。 『屋根の上のバイオリン弾き』 公開されたのは、まだ大学生だった60年代末。 結局、その時は見損ねた。 やっ... 続きをみる

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  • ひたる

    真冬に逆戻りしたような寒い日々、 ひゅうひゅうと唸る北風の脅しに首をすくめ、 ストーブにあたりながら、 好きな本を読み耽る。 東野圭吾さんの本は、出版されれば必ず読む。 図書館で予約待ちして。 必ず夢中になって、一気読み。 そして、キレイに忘れてしまう。 こんな写真でも残しておかないと。 続々と映... 続きをみる

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  • 季節外れの雪

    窓のない部屋に寝ているけれど、雪は気配でわかる。 外がほの明るいのだ。 社会生活している頃は雪が嫌いだった。 それは生活のリズムを崩す不届き者だった。 還暦で子どもに戻り、 雪国に暮らす人には申し訳ないけれど、濃尾平野の端っこでは貴重な雪に、 今は子どものようにはしゃいで雪の中を歩く。 目的地は図... 続きをみる

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  • 水のように

    浪花千栄子さんのエッセイ。 図書館の新刊コーナーで偶然見つけた。 朝ドラ『おちょやん』のモデルとなった人の、唯一のエッセイとあっては読まずにいられない。 4歳で母を亡くし、8歳で奉公に出された彼女の幼少期はドラマと変わらず、 驚いたのは、父親のダメさや奉公先での苦労は、事実の方がずっと上を行く、と... 続きをみる

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  • 韓流映画は火炎放射器?

    中野信子さんの本を何冊か読んだ。 といっても膨大な著作の中から、 近所の図書館にあるものだけを。 最近手にした『人はなぜ、他人を許せないのか?』 TVなどでの露出もあるからか、見るたびに垢抜けていらっしゃる。 オブラートに包んだソフトさは計算の上かも知れないが、スルスルと喉越しよく通り抜けていく。... 続きをみる

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  • 『空気を読む脳』と『グエムル』

    ヤマザキマリさんとの対談『パンデミックの文明論』が面白かったので、中野信子さんの著書を借りてみる。 著者は東大大学院卒の脳科学者、かなりの秀才だ。 科学者らしく実証に基づいた展開は論理的で、読者である一般大衆にもわかりやすく、飛躍することなく、脳の特性について述べている。 私のようなおばさんでも夢... 続きをみる

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  • なにげなくな日々

    川上弘美さんの小説『三度目の恋』を読んだ。 読書会の助言者さんのおすすめ本だった。 彼女を知ったのは芥川賞を受賞した頃。 当時は我が家も夕刊を取っていて、その文化欄に彼女のエッセイがあり、それが忘れられなかったのだ。 小説を書いては自宅の壁に貼っている。けれど自宅では誰も読んでくれない。仕方がない... 続きをみる

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  • 寂聴さん

    長寿である。 が、決して穏やかな道のりではなく、病気や老衰との前向きな闘いを繰り返されての今日のようだ。 新春特別番組「高橋源一郎の飛ぶ教室」に電話出演され、そのお話しぶりの若々しさに驚いたことは、以前書いた。 その時紹介された著書『いのち』を、早速図書館で予約し、先程読み終えたばかり。 出演者の... 続きをみる

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  • インナートリップ

    図書館で新作を借りるのは 作家を殺すようなもので、申し訳ないと思うものの、年金暮らしでは本代もままならない。 積読も大事とは聞くが、 本をため込んでしまうと、今度は処分が大変だ。 で、読書欲はもっぱら図書館で解消、ということになる。 先日、借りた本。 伊藤比呂美さんのエッセイ、思いの外、多くて驚く... 続きをみる

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  • 小説『82年生まれ、キム・ジヨン』

    これももう1ヶ月近く前になるのか、 〈高橋源一郎の飛ぶ教室〉で、おすすめの一冊として取り上げられた。 映画は観ていたし、小説は韓国でベストセラーになったとも聞いていた。 が、日本でも出版され、話題になっているとは知らなかった。 パートナーの女性アナウンサーも、 ゲストの詩人・伊藤比呂美さんも、 わ... 続きをみる

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  • 時は巡っても

    今日は土曜日だった。 学校も幼児園もお休みで、退屈した孫たちがやって来る。 わかってはいても、エクササイズの最中の来襲に、あちゃ〜 もちろん可愛い孫のためなら、自分の都合など二の次で、計画変更。 孫たちが昼ご飯に帰ったスキに、掃除機をかけ、拭き掃除して、やれやれ。 じいじはどこかへ雲隠れだ。 全く... 続きをみる

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  • 取り止めのない読書

    読書会の顧問の先生に紹介して頂いた本、『灯台からの響き』(宮本輝・作)に、気になる本が登場する。 森鴎外の『渋江抽斎』、ラーメン屋の主人公の愛読書で、作中、彼は何度でも読んでいる。 手持ちの文庫本が擦り切れてしまえば、また新たに購入して読んでいる。 高校生の現代国語の教師が言っていた。 「鴎外の『... 続きをみる

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  • 気がつけば、

    『気がつけば、終着駅』 予約したものの、なかなか順番が回ってこなかった。 前作の『90歳。何がめでたい』はベストセラーとなり、すっかり体調を崩してしまったとか。 これが最後の出版だという。 一度発表されたものを再出版することに難色を示すと、 「50年前ですよ。たとえ読んだとしても、忘れてしまってい... 続きをみる

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  • 『足もとに流れる深い川』

    あまりにも夜が長いので、退屈しのぎにラジオを聴く。 昔懐かしい音楽を求めて、チャンネルをハシゴすることが多いけれど、その日は何を思ったのか、NHK第二の「カルチャーラジオ 文学の世界 文庫で味わうアメリカ短編小説」に聞き入ってしまった。 話者は早稲田大学教授の都甲幸治氏。 レイモンド・カーヴァーの... 続きをみる

  • 最近の読書から

    高橋治・作『名もなき道を』は友人の紹介で。 古い本で、地元の図書館には所蔵がなくリクエスト。 作者の高橋氏は父とさほど変わらない世代、著作を読むのは初めてで、こんなこと(友人のすすめ)がなければ、絶対に読むことはなかった。 小説ではあるけれど、語り口はノンフィクションに近い。 吉松という教師が、教... 続きをみる

  • 筋肉痛にあえぎながら

    一昨日の池田山登山で体を酷使したので、当然その見返りはあると思ったけれど、昨日よりも酷くなった筋肉痛。 もう、どんなふうに動いても痛い。 朝ウォーキングもエクササイズも平常に戻した。 筋肉痛は嵐のようなものだから、過ぎ去るのを待つしか打つ手はないものね。 図書館に行って、読みたい本を物色、 遠出は... 続きをみる

  • 長編、相撲、遺産

    やっと読了。 まさかこんな長編だったとは。 読書会の助言者さんのお勧め本、知らせを受け、図書館のカウンターでこの分厚さを知ったとき、正直引いた。 それでも読み始めると面白くて。 乃南アサさんの『チーム・オベリベリ』 オベリベリとは今の帯広のこと。 北海道開拓の話は「知っている」程度。 が、長編小説... 続きをみる

  • 振り回されて

    そうだ、今日はDVDを返して、新しいのを借りてくるのだった。 『バタフライ・エフェクト』と『ボヘミアン・ラプソディー 』の感想は書き終えた。 近所のゲオにワクワクして出かけた。 27日まで、旧作が半額で2週間借りられる。 この機会に気になっている映画を全部観てしまおうか。 いやいや、その前に本を読... 続きをみる

  • 好きな映画、好きな作家

    どうして好きなのだろう。 それを説明出来ないから、好きとしか言えない。 一昨年、映画館で観た『ボヘミアン・ラプソディー 』 ロック・グループのクイーンは当然知らない。 ロックに興味がないのだから仕方ない。 が、映画を観る気になったのは、その評判があまりにも高く、ロングランが続いていたから。 そんな... 続きをみる

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  • 『少年と犬』

    馳星周の直木賞受賞作品。 何となく馳星周は住む世界の違う作家さんのような気がして、手に取り損ねていた。 直木賞を受賞し、いかつい風貌を目にして、ますますその思いは深まった。 なのに何故、読むことになったかといえば、読書会のオブザーバーみたいな人が、イチ押しだと言うので。 そのオブザーバーなる人、図... 続きをみる

  • おしまい予言

    またこの本に戻ってきた。 近くの図書館の閉架書庫から出してもらい、借り受けること3度。 今年の初め、地元の読書会に誘われた。 テーマ本は『強運の持ち主』だという。 古い本なので既に閉架書庫入り。 それがコロナで読書会は延々延期となった。 再開は6月。 この間に瀬尾まい子さんの本を何冊読んだだろう。... 続きをみる

  • 小説『バタフライ・エフェクト』

    思い違いをしていた。 映画『バタフライ・エフェクト』の原作だとばかり思っていた。 映画は10年ほど前に観て、難解だったので気になっていたのだ。 小説できちんと読み直したいと思っていた。 北欧スウェーデンが舞台のサスペンス、ではなく 人間ドラマだった。 カーリン・アルヴテーゲン作、翻訳はヘレンハルメ... 続きをみる

  • 『夏への扉』

    このタイトルには思い入れがある。 児童文学にチャレンジしていた頃、師が言ったのだ。 「タイトルは大事だよ。作品の良し悪しはタイトルで半分は決まってしまうんだ」 そこで例に挙げたのが『夏への扉』 「猫がドアを開けてくれって、引っ掻くんだよ。そのドアは夏へ続くドアなんだ。こういうタイタル、いいよね〜」... 続きをみる

  • 『かもめ食堂』私感

    近くのゲオで「かもめ食堂」のDVDを探す。 10年ほど前にミニシアター系にはまり、レンタルDVDで観た1枚だった。 フィンランド旅行に行く前の2014年にも楽天レンタルで見ているようだ。 フィンランド予習のつもりか、何枚もミカ・カウリスマキ監督も借りている。 が、復習はしなかったな。 後味の悪い旅... 続きをみる

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  • その本は書棚の奥に

    友人とは18歳の時からの付き合いなので、はや半世紀になる。 兵庫県西宮市の関学時代のことだ。 当時は下宿といえば、学生課で紹介してもらっていた。 出遅れた私が見つけたのはベニヤ板で増築したような部屋だったが、親はとにかく見つかってよかったと喜んだ。 そこに彼女が母親と共に現れた。 「もう決まっちゃ... 続きをみる

  • ほんの森へ

    今日こそは書かなくちゃ、と思いながらズルズルと何日がすぎた? 作家になりたかったら毎日書きなさい。 一日書かなかったら取り戻すのに3日かかり、 二日書かなかったらもう取り戻せないと思え。 みたいなことを言って脅されたのはいつのことだったか。 作家にはなれる筈もないので関係ないが、 こんな雑文でも三... 続きをみる

  • 学生時代という幻想

    原田マハという作家がいる。 数年前に、友人から『楽園のカンヴァス』を勧められて、この作家を知った。 もちろん作品は面白かったが、アートを題材にしたキュレーターの作品ということで、少し引いていた。 作家の経歴を読むと、関西学院大学文学部日本文学科卒とある。 母校の出身者だ! 関学卒の有名作家といえば... 続きをみる

  • 読書会

    あの難解な『影裏』がタイトル本 さて、どんな感想が聞けるだろう。 いや散々考えた自身の読後感を、どんな風に伝えたらいいのか。 娘宅の孫2人を預かる日だったが、 午前中はじいじとお嫁さんに託して出かけた。 元職場の同僚や上司も参加しているこの読書会、多分わたしが最年少ではと思えるほどの高齢化だが、活... 続きをみる

  • 注意!

    朝のウォーキングで気になる看板 何に「注意」? いや、立ち入り禁止の意味か。 ちょっとイタズラ 明後日の読書会のテキストが気になって もう三度以上読んでいる。 芥川賞受賞作の短編。 が、何とも分かりにくい。 その原因は時系列の絡れだと思い、メモを取りながら整理する。 乱れるのは一人称小説だからだ。... 続きをみる

  • コロナに振り回される

    今まで気にならなかった庭の荒れよう スイッチが入ってしまったのは、やっぱりステイホームのせい? 元々、視野に入るものにしか力を出せないので 家にいれば家が気になる。 自己評価は下がった。 いや、これが正当な評価だよね 朝から晩まで庭仕事。 2日がかりで義母の残したシンビジュームの植え替え。 この際... 続きをみる

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