Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

ほんの森へ

今日こそは書かなくちゃ、と思いながらズルズルと何日がすぎた?


作家になりたかったら毎日書きなさい。

一日書かなかったら取り戻すのに3日かかり、

二日書かなかったらもう取り戻せないと思え。

みたいなことを言って脅されたのはいつのことだったか。


作家にはなれる筈もないので関係ないが、

こんな雑文でも三日書かないと敷居が高くなる。


元職場の図書館へ本の返却に行く。

借りていたのは『ミレニアム6(上下)』『フーテンのマハ』

そして、これ。



作れそうで作れない短歌。

それでも卒論で斎藤茂吉に関わってしまった縁なのか、気になり続けている短歌。


この本はとても読みやすく、歌に興味がなくても読める(と思う)。



改悪例、という発想が面白い。

改悪例を思いつくのも才能では? と思うキレのよさ。


「生きのびる」のが実学、「生きる」のが文学。

改悪例はまさに「生きのびる」人が書きそうな歌、ということらしい。


この説明にとても深く納得したのは、まさしく

「生きる」ことと「生きのびる」ことを混同してしまった苦い過去に思い至ったからだ。

実生活では何の価値もないような出来事を、文学的価値と混同して実践しようとしていた。

この世で認められる筈もない価値観(「ほこりまみれの鳥籠」みたいな)を子どもたちに強要していたかも知れない。

だから、うちの子たちは出世しないんだな。

でも、人としては真っ当に育った。

貧乏だけど、仕方ないか。


それはそれとして、

本の返却に元職場の図書館へ。


若い後輩がカウンターで頑張っている。

帰り際、おはなしコーナーをふと見ると、

拙作の壁飾りが。




もう4、5年前のものなのに、まだ使ってくれている。

物持ちがいいのか、

こんな面倒なものを誰も作りたがらないのか。


近すぎる過去は、ちょっとほろ苦い。

思い出は半世紀くらい経ってからがいいのかも。

そんな話もいつか。