Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

自転車と映画

昨日から雨模様で、

庭の草むしりが出来ないだけなのに、

とんでもない怠け者になってしまったようで

気が滅入ります。

晴耕雨読にも、覚悟と修行が必要?


観た映画は、

『自転車泥棒』

終戦間もないイタリアを舞台にしたモノクロ映画。

闇市に近い市場や人々の雑踏。

職探しに群れる男たち。

質屋通いの主婦。

水道がない生活。

ああ、子ども時代を思い出します。

と言っても、1950年の作品ですから私は生まれていませんよ。


映画の話、

やっとありついた仕事は自転車が必要で、奥さんがシーツを質入れして自転車を受け出します。

自転車の前に奥さんを乗せたり、息子を乗せたり、一家を支える足として大活躍。

自転車が家族に幸せをもたらすシーンから始まります。

なのに、あろうことか、夫は仕事中にその自転車を盗られてしまうのです。


タイトルから自転車を盗られることはわかっていました。

貧しくとも幸せな一家を描きながら、

どうしてそんな理不尽な筋立てにするのか。

怒っても始まりません。

ネオ・リアリズモは映画の一手法なのですから。


自転車を盗られたことで、だんだん追い詰められていくお父さん。

見上げる子どもの心配そうな目。

親も必死だけど、 

子どもも必死。


この必死さに、

つい涙ぐんでしまうのです。

リアリズムですから、ハッピーエンドにはなりません。





こちらは7、8年前のフランス、ベルギー、イタリア合作映画。

場所はどこだろう。

フランス語を話しているので、パリ郊外?


父親に捨てられ、施設暮らしをする少年と、

自転車が縁で知り合った女性の、

血のつながらない親子の情愛を描いている、のかな?


自転車が愛しくて借りたDVDでしたが、

どちらもヒューマンドラマ。


自転車はどんなに頑張って漕いでも、俊足には叶わないし、飛びかかられれば簡単に倒れてしまう。

不安定で頼りない。

まるで主人公のよう。


これが自転車なのだと再認識。

それでも自転車でしか描けない人間関係を見つけました。


やっぱり、自転車いいな。