ひたる
真冬に逆戻りしたような寒い日々、
ひゅうひゅうと唸る北風の脅しに首をすくめ、
ストーブにあたりながら、
好きな本を読み耽る。
東野圭吾さんの本は、出版されれば必ず読む。
図書館で予約待ちして。
必ず夢中になって、一気読み。
そして、キレイに忘れてしまう。
こんな写真でも残しておかないと。
続々と映画化されているが、犯人さえも思い出さない情けなさ。
ブログにあらすじはご法度だけど、
ドラえもんの登場人物になぞらえた犯人探しが面白かったと、書いておこう。
今、読み耽っているのは、
林真理子さんの『六条御息所 源氏がたり』
言わずと知れた『源氏物語』の翻案モノだが、
女性作家の解釈を交えた辛口の語りが、
核心は源氏に翻弄された女たちであることを浮き彫りにする。
私はどうしても源典侍が気になる。
いい歳して(作中では殆ど老婆)まだ女房として仕え(現役で仕事している)、男好きで、容貌の衰えにも気付かず、まだイケてると勘違いしているイタイ女。
若い源氏や頭の中将がからかって誘いをかけると、間に受けて慌てる様もぶさま、と散々な書きよう。
その興味本位で遊ばれたのが50代、
とっくに亡くなったと思っていたら70代でまだ生きていた、とある。
なんて辛辣な描き方。
これが女性の目なのだ。
穂村弘さんは、『高橋源一郎の飛ぶ教室』で取り上げられた作品が面白かったので。
本の連鎖も限りない。
読む力は日々衰えているのに。
私も源典侍のように、しぶとく生命力燃やしたい。
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