植村直己さんの本
外出自粛の過ごし方は、
読書に庭仕事。
図書館も休みなので読む本がなくなり、
古い本を漁っている。
植村直己さんが北極点単独行に成功したのは1978年とあるので、32年前。
まだ小学生の子どもたちを連れて実家に帰ると、気難しい父がいつになく興奮して、植村直己さんの偉業を称えた。
本も買って読んだという。
こちらは子育て真っ最中でそれどころではなかったけれど、父が読み終えた本を半ば押しつけられて持ち帰った。
定年退職し、コロナ自粛で時間ができた。
その流れで植村直己さんの本を思い出した。
ツインオッター機で補給を受けながらの犬橇行だったが、悪天候のため補給が遅れ、4日間も絶食を強いられた犬たち、マイナス20度以下の屋外で眠る犬たち。
何もかもが文明社会からは想像を絶する厳しさだが、それをお菓子食べながらぬくぬくと読むわたしなど、1日として生き延びることは出来ない過酷な世界だ。
コロナ禍の不自由なんか大したことはないと思えてくる。
その意味でいい読書をした。
自身の死を考える箇所には、じいんと。
その数年後、彼はマッキンレーで帰らぬ人となる。
相変わらず、庭の木と格闘している。
これから伐採した木や、この落葉を燃やさねばならない。
なかなかきれいにはならないけれど、時間潰しにはなる。
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