Linの気まぐれトーク

映画と小説の日々

口角を上げて


7年ほど前、毎朝、自分の顔を撮り続けていたことがあります。
いわゆる、顔日記。
口角を上げて、たのしそ~な表情を作るのが目的でした。
実際、出勤前のひとときは、楽しさからは程遠かったと思うけれど、
今見れば、けっこう楽しそうな顔をしています。
私が私でなかったら、間違いなく笑顔を返しそうな顔。

写真といっても、今や加工して見栄えをよくするのが当たり前。
どうせ残るなら、楽しそうな方がいいに決まっています。
それに脳は案外おバカなので、
笑顔でいれば自分は幸せなんだと勘違いするらしい。
脳が勘違いすれば、
本当に幸せになれるということ。



さて、過去帳を覗いていたら、フィンランド旅行の反省記もちゃんとありました。


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一番の理由は英語が話せなくて、会話に参加できなかったことでしょう。
でも、もしもティモが日本人で、日本語で話していたとしても、同じような疎外感は味わったかもしれません。
そう、本当の理由は、生きるエリアの違う人、普通だったら友だちにもならず、生活圏でもクロスしない人たちと一緒に行動せざるを得なかった孤独でした。
でも幸いなことに発狂することもなく、病に倒れることもなく、無事帰国でき、ほんの少しの理解者に愚痴をこぼすことができたのですから、結果オーライですね。
日記を書くことで自分を取り戻し、アイデンティティを確認することができました。


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なあんて、殊勝なことを書いています。
たぶん、友人限定のSNSで公開したのでしょう。
いくらなんでも、同行者の目に留まるようなところには置かなかったと思います。
この旅行が終わったとき、
「生きて帰れてよかった~」
とつぶやいてしまったけど、あながち誇張ではなっかた?


その後、理想の旅友を得て、旅行の楽しさを堪能できたのですから、
このフィンランド体験は決して無駄じゃなかった。
そう思うのです。